Mavic Airが届いてから室内での動作確認しか行っていなかったのだが、とうとうこの日を迎えた。
そう初フライトである。
前準備
機体本体(バッテリー装着済)・コントローラー・そしていつも携帯しているスマホこれだけあれば、フライトできる。
ただケチって一番安価なセットで購入したので予備バッテリーが無い。
つまり一回分のフライトしかできないと言うことになるのだが、車には昔取り付けたDC-ACインバーターがありAC100Vを取る事ができるので、Mavic Airのセットに付いていた充電器を持って行けば、充電中の待ち時間はあるもののこまめに充電して行けばそれほど待たされることはないだろうと思い。
「うん!初心者の私には丁度いい」
などといつものごとく安易に自分を納得させ、昨日満充電させたコントローラーと機体のバッテリー、そして付属の充電器を手にして車で河原に向かった。
フライト
目的の場所に到着しよさげなところに車を止め、コントローラーにスマホを取り付けそしてMavic Airのプロペラを開き、2-3m離れたところにMavic Airを置く
コントローラーのスロットルをあげホバリング
「すげー」
ビタホバ
と、このセンサー漬けになった機体の安定性に驚くと共に昔RCヘリで覚えたモードIの操舵方法でしばらくフライトを続けていた。
すると、あっという間にバッテリー残量が半分以下に
「おっ!いけねー」
「充電しよう」
と、機体を下ろして、車のエンジンを駆け DC-ACインバーターの電源入れた。
インバーター内部のファンの音がして起動を確認
そしてMavic Airのセットに付属していた充電器のACプラグを差し込み、充電器にバッテリーを接続したところ、 バッテリーの充電時に光るはずのLEDが一つも点かない。
「えー」
バッテリーを抜き差ししても変わらず
「しばらく使っていなかったので、このインバーター壊れたかなぁ」
インバーターから正しくAC100Vが出ているかどうかも確認するものが無く、 半ばあきらめて車のエンジンを切った。
「しょうがない、まだ半分あるので残りの半分テスト飛行を楽しもう」
再びフライトを楽しむもつかの間、バッテリー不足のアラームがコントローラーから鳴り響きゴーホームボタンを押さざるを得ない状況となってしまった。
この河原に来てまだ1時間も経っていないのに引き揚げないといけないなんて、 トホホです。
さすがにあきらめきれず、せめて「インバーターが生きているかだけでも確認できないかなー」
と車内を物色していると、12Vの安定化電源が転がっていた。
なんでこんなものが車に?
と思う人もおられると思いますが、これまた昔、車のバッテリーが上がってしまったときに充電する為に持ってきたものが車に積みぱなしになっていたのである。
この安定化電源には、電圧メーターも無ければ、電源ランプも無く、ACプラグを挿したからと言って、通電しているかどうかも分からない代物です。
「こんなんでインバーターの出力確認なんてできんの?」
と思いながらも、インバーターに電源プラグを差し込んでみると、おっ
「ブーン」
と内部から小さな音が一瞬聞こえた。
「あっ 生きてるなー」
そう これは紛れもなく安定化電源内のトランスに印加した時の音です。
「て、事は相性問題ですかぁ?」
「まぁー 確かにこのインバーターは正弦波ではないので仕方ないかなぁ~」
なんて思いながら、安定化電源のACプラグを意味もなく抜き差しを繰り返していたら
「あれ? 充電中になった。」
「なんで? 復活したの?」
原因よりも充電中になったことが嬉しくって、そのまま満充電まで待ち2フライト目に突入、そして2度めのゴーホーム
「さー充電しよう。」
普通にインバーターの電源を入れ
「は~ん、こいつ切っ掛けを作ってやんないといけないんだな」
と、安定化電源の電源プラグを抜き差し
「あれ?、全然ダメだ」
こうなると頭のなかは「切っ掛け」の文字でいっぱいになり、インバーターの電源を入り切りしたり、充電器のプラグを抜き差したりと足掻いたが、何をしても充電されることはなかったのである。
帰宅を余儀なくされた。
で、帰宅した私は早速車からインバーターを外して部屋に持ち込みチェックし始めた。
状況確認
まず解ったこととして、AC出力が80V程度しか出力していない。
そして、インバーターに入れる電源電圧を落とすことで100Vまで上昇することが解った。
解析
経年劣化で出力が出ないのか仕様なのか判らないまま回路をにらめっこ、まずは使用されているICの型番を控えネット検索
TC4027 と 74HC107 フリップフリップ
そして3つの555 言わずと知れたタイマーIC
上記におおまかな回路構成を記しました。
一次側で生成された高周波をトランスに入れて変圧、二次側で家庭用コンセントに合わせた50Hz/60Hzを作ってC-MOS FETでドライブしてAC100Vを得ると言う仕組み。
でポイントは何故70Vしかでないか、トランス二次側の電圧も300V以上あった。
出力波形オシロで確認。
なんかこの山細くない?
電源電圧を下げてみると
ピークピーク値は下がるが山の幅は広がる。
「なるほど、これで実効値が上がるのか」
と言う事は車の定格13.8Vでこの幅(デューティー比)をキープできれば
そこで三つあるタイマーICがそれぞれ何の仕事をしているか調べる事にした。
これは実に簡単。
そう555の出力波形を見れば良い。
555は3番ピンが出力なので、オシロのプローブをあて結果こうであること判った。
左から、一次側高周波生成、真ん中が50Hzと60Hz、そして一番右がFETをONにしてピーク電圧を保持するパルスを作っている事がわかった。
ここまで判れば555の定数を変えるだけ。
計算では、555の7番ピンに入っているCR回路の39kΩを30kΩ程度にすればよいので、100kΩをパラにかましてみた。
「うん!ばっちし」